こんにちは!ヤネです!!
皆さまは、腹腔内圧という言葉はご存知ですか?トレーニングをおこなっている方であれば【腹圧】という言葉で聞いたことがあるかもしれませんが、正式名称は【腹腔内圧(ふくくうないあつ)】と言います。
漢字から紐解くと、、、
腹(お腹)・腔(空間)・内(中の)・圧(圧力)となりますね。
何となくイメージできますでしょうか??
この腹腔内圧を時々の状況(日常生活、運動時など)に合わせて高める(時々の状況に合わせて高められる能力をもっている)ことにより、『トレーニングの質』や『腰痛などの身体の痛み』、また『スポーツパフォーマンス』など、さまざまな効果が期待されます。
そんな様々な効果を得られる可能性がある腹腔内圧についての理解を深め、実践をしていきましょう!
腹腔内圧を知ろう
お腹は他の様々な体の部位と違い、骨の周りをみっしりと筋肉が覆っているわけではございません。
例えば、太ももの骨の周りはイラスト(私の手書きで申し訳ございません!)のように、前〜外側は大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)、後側はハムストリングス(太ももの後ろ側の筋肉)、内側は内転筋群(太ももの内側の筋肉)によってみっしりと覆われています。
【大腿部の水平断面図(byヤネ)】
それに対して、お腹の骨(腰椎や肋骨)の周りは腹筋や腰についている筋肉こそあれど、下のイラストのように空間ができています。
【腹部部の水平断面図(byヤネ)】
広い意味で、この空間のことを「腹腔」と言い、腹腔には胃や腸などの様々な臓器が収まっています。
そして、【腹腔は空間】ですので、その空間を構成するためには「囲い(天井・床・壁)」が必要になります。
この囲いを構成しているのは主に筋肉であり、以下によって成り立っています。
・天井 …横隔膜
・壁(前~側面)…腹筋群(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)
・壁(後面) …多裂筋や腰筋など
・床 …骨盤底筋群
【腹腔の前額面図(byヤネ)】
これらの筋肉によって囲まれている空間の内側(=腹腔)には圧力がかかっていて、この圧力のことを腹腔内圧と呼んでいます。
腹腔内圧の高め方
それでは腹腔、また腹腔内圧についての理解がおおむねできたと思いますので、
次は今回のテーマである「腹腔内圧の高め方」についてお話をしていきたいと思います。
結論から申しますと!腹腔内圧を高める方法としては「呼吸運動」があげられます。
息を吸った時、(天井となる)横隔膜が(床である)骨盤底筋群に近づく動きを行うため、腹腔には上から押しつけられるような力が加わります。
柔らかいボールを例にして実演をしてみますと、写真のようになります。
ボールの内側を腹腔として、手で上から押しつけてみるとボールの内側には圧力がかかり、ボールが硬くなるのが分かると思います。
これが、息を吸うことによって腹腔内圧が高まる仕組みです。
では、息を吐いた時はどうでしょうか。
息を吐いた時は、(前壁である)お腹の筋肉が、(後壁の)背中に近づき、(床である)骨盤底筋群は(天井となる)横隔膜に近づく動きを行うため、腹腔には外側から内側に向かって力が加わります。
再度、ボールで実演をしてみますと、前や下からボールを潰すことでボールの内側には圧力がかかり硬くなるのがわかると思います。
これが息を吐くことによって腹腔内圧が高まる仕組みです。
腹腔内圧を高めることでの効果
腹腔内圧を高めることによって身体には「背骨の安定感が増える」「臓器への圧力が高まる」という変化がございます。
今回は上記2つの変化がパピネスの「健康応援」「カラダづくり」「カラダを極める」という3つのカテゴリーの視点において、どのような影響があるのかを簡単にご紹介します!
【健康応援】
背骨が安定することにより、骨や関節そして靭帯などへの負荷を減らすことができるので腰痛の改善や予防をすることが可能と言われています。
また、腹腔内圧は便秘になってしまう要因の一つとも言われていて、排便時に十分に腹腔内圧を高めることができない場合は便の排出が滞ってしまいます。
【カラダづくり】
腹腔内圧を高めるうえで不可欠な横隔膜(天井部分)には「姿勢を維持する」という機能も持ち合わせています。
そのため、横隔膜の働きが反り腰や猫背などの不良姿勢と密接に関係しています。
姿勢が悪くなることによって、肩こりや腰痛だけではなく、見た目にも影響を及ぼしますので、理想のカラダを目指すために呼吸(腹腔内圧)にも目を向けてみるとよいかもしれません。
【カラダを極める】
体幹部(胴体)は身体の質量の半分を占めていると言われています。また、その3分の2は呼吸を行うための筋肉によって構成されています。
そのため適切な呼吸を行う(腹腔内圧を高める)ことにより、身体の安定感が増すことで、普段よりも重い重量でトレーニングを行える可能性があり、さらなる刺激を筋肉へ与えることができるかもしれません。
BIG3における体幹部の安定性については、こちらの記事をご覧ください。
体幹部の安定性がBIG3に必要不可欠な理由とは - ハピネス
腹腔内圧を高めるための呼吸エクササイズ
そんな優れものとも言える腹腔内圧ですが、単に呼吸をおこなうだけでは高まらない方が多いです。このエクササイズを行うことで、腹空内圧を適切に高めることができるようになりましょう。
①90-90ヒップリフト ブリージング
〈負荷のかかる所〉
お腹、太ももの後ろ
〈準備するもの〉
イス(もしくは低いテーブル)
〈やり方〉
1.イスの上に足をおいて、股関節の角度を90°、膝を90°に曲げた姿勢にして、腕を天井に向かって伸ばす。
この時に指先で天井を触るイメージでしっかりと腕を伸ばしましょう。
※丁度よい高さのイスやテーブルがない場合は、下記の写真を参考に壁や床を活用してください。
2.腰骨は床につけたまま、お尻の骨を浮かせる。
この時に腹筋や太ももの後ろの筋肉が使われている感じがあればOKです!
3.1〜2の姿勢を保ったまま、呼吸を繰り返す。
〈呼吸の方法〉
・はじめに息を吐き切ります。
・その後、5秒かけて息を吸い、10秒かけて息を吐いて、5秒息を止めましょう。
・上記のサイクルを5回繰り返す。
・全て鼻で呼吸ができると理想ですが、鼻で吐けない場合は口から吐いても大丈夫です(※吸う時は鼻から吸ってください)。
〈ポイントと注意点〉
・途中で姿勢が崩れやすいので、最初の姿勢をずっと維持して行いましょう。
・実施中に腰が痛む場合などはエクササイズを中止してください。
②キャット ブリージング
〈負荷のかかる所〉
お腹や二の腕など
〈やり方〉
1.四つ這いになります。手のつく位置は肩の真下、膝の位置は太ももが床に対して垂直になるようにしましょう。
2.背中を天井の方に近づけるようにして、背中を丸めていく。
この時に腹筋や二の腕が使われている感じがあるとOKです!
3.丸めたポジションを維持したまま呼吸を繰り返しましょう。
〈呼吸方法〉
・はじめに息を吐き切ります。
・その後、5秒かけて息を吸い、10秒かけて息を吐いて、5秒息を止めましょう。
・上記のサイクルを5回繰り返す。
・全て鼻で呼吸ができると理想ですが、鼻で吐けない場合は口から吐いても大丈夫です(※吸う時は鼻から吸ってください)。
〈ポイントと注意点〉
・息を吸う時に背中の丸まりが減ってしまわないように行いましょう。
・身体に痛みが生じた場合はエクササイズを中止してください。
いかがでしたでしょうか。
腹腔内圧は今回書いたこと以外にも様々な効果がございますので是非、継続的に実践をしてみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
次回の投稿もお楽しみに~!!
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